アダチカツノリ/遁生レコード・ブラン
【6年連続6回目】→01
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mail/adachi@tonreco.com
web/The
World of TONSEi RECORDS
■はっぴいえんどカバーボックス
(オズディスク OZD-091-95)
今年ゲットの音源で最大の事件と云ったら何と云ってもこいつでしょう。
まずはモノとしてのインパクトそして量、質・・・何から何まで圧倒でありした。
改めて説明するまでもないかもしれませんが、「ゆでめん」「風街」「HappyEnd」そして解散ライブの名を借りた再結成ライブ盤「ライヴ・はっぴいえんど」収録曲を全曲カバー。ライブ盤はホントに文京公会堂(現・文京シビックホール)で収録。ライブだけで演奏した曲、シングルバージョンももちろん、ジャケも川崎ゆきおらがカバーというとんでもない代物。
とにかく「このバンドとこのバンドをつまみ食いして聴こう」って気がまったく起こらない。これは「はっぴいえんどカバーBOX」っていう塊。曲いっぱい入ってりゃあいいかって話じゃない。有名なバンドがいっぱい入ってりゃあいいかって話じゃない。
この箱は「聴く」という行為のためだけにお金を払うのではなくて「体験」して面白さを感じるもの。そんな風に思います。
まさにお祭りでした。
このボックスをネタにした萩原健太さんのトークイベントに出かけたりもしましたな。
同時期リリースのビクターからの2枚組トリビュート盤との比較レビューもトンチンカンで面白かったっすね。
ブランも末席に関わらせていただけたことをホント誇りに思ってます。
ホントすげぇよ、田口さん。
■The
Jeevas / 1,2,3,4
(Epic EICP-130)
このバンドの中心人物が在籍してたクーラ・シェイカーというバンドを私は一度も聴いたことがないのですが、今年後半はこいつばかリ聴いておりました。日本での初ライブに当たるフジロックのライブレポを何かで読んで、CD店で試聴したら一発でツボにはまったという近年稀だった、本来の意味での「私5」らしい1枚であります。
一聴して「トム・ペティか?」ってな曲もあるスリーピースのストレートなアメリカンなギター・ロック。明確に「こうこうこういう所が良いのです」と云えないのですが、身体がこういう音を欲していたということなのでしょう。ヘッドフォンして聴きながら歩いてると、背筋がしゃんとして、顔がほころんでいっしょに口ずさみたくなるのです。ギターのカッティングやリフも格好良くて、気持ちいいんだな。
しばらくヘビーローテーションが続きそうです。
■Badfinger
/ BBC In Concert 1972-3
(Strange Fruit ZJCI-10097)
ふらっとCD屋冷やかしに行ってこいつを見つけた時は思わず声が出ちゃいました。
Strange Fruitってあの、かつてスミスやシド・バレットとかのJohn Peel Sessionをリリースしてたレーベルと同一なんだろうか?だとしたら相変わらずの優れたお仕事。感謝感激でございます。
さて、バッドフィンガーのBBCライブ盤であります。
「Straight Up」「No Dice」期の演奏が中心というのがうれしい。一聴して当たり前のパワーポップを当たり前に演奏しているのに何でこのバンドはこんなに気持ちよいのだろう、切ないのだろう。
バッドフィンガーで酒を飲むってのがホント楽しくて仕方がないのだけれど、そんな夜が今年幾晩あったことか。
2バージョン入っている「Suitcase」が共に6分、7分の長尺なのが個人的なツボでかっこいいったらありゃしない。松村さんじゃないけど俺も云いいますよ。「ビートルズの弟バンドなんてだれが云った?これを聴きなさい!」
でもちゃんとラストにポール作曲の「Come And Get It」も入ってます。
しかしバッドフィンガーが当たり前に聴けて上手い酒が飲めるようになったというのは幸せな時代であります。
■John
Lennon / Mind Games〜New Century Edition〜
(東芝EMI TOCP-67075 )
99年に引き続き2度目の登場なのですが、なんてったって2000年の「ジョン魂 millennium
Edition」から続くリミックス&リマスターシリーズであります。そしてそしてジョンソロで私が最も好きなこのアルバム、落ち着けってのが無理な話。
もちろん「ジョン魂」も「イマジン」もしょっちゅう無性に聴きたくなる、ジョンソロの個人的重要作であるのは間違いないのですが、くだらないことで落ち込んだ時にもっともっとダウナーな気分にしていただいたり、逆に「なにくそ」と奮い立てていただくような、ある種ジョンとタイマン張るようなこちらの構えが必要だったりするのです。
このアルバムのジョンは、肩の力の抜け具合が気持ち良いというか、時、場所、気分を選ばず私を必ず気分良くさせてくれるのです。
でも、ジョン自身「あれは躁病的政治狂いから、再びミュージシャンに戻る為の中間的レコードだった」と語るなど、ソロキャリアでは必ずしも優遇されたアルバムではなかったりするのです。一体全体どうしたものか。
まぁとにかく。
音のひとつひとつが豊かさを増し、ジョンの声が耳元に迫ってくる「Mind Games」「AISUMASEN」「One day」「Out
The Blue」にうっとり。よりギターのカッティングが立ち、タイトル通りタイトさupでかっこいいったらありゃしない「Tight
A$」の疾走感の気持ちよさ。1曲1曲語りだしたらきりがないのだけれど、一連のリミックス&リマスターものはホントいい仕事してます。
■RIDE
/ 全アルバムぶっこみMD
2000年末のスミスマイブームを引き継ぐ形で、今年前半MDに全アルバムぶっこみで聴きまくったのがライドでありました。
思春期おサイケギターバンドとでも申しましょうか、90年代初めに彼らから授かった音楽に対する意識改革は私にとってのパンク体験に相当するものかもしれません。ロックと云えばギターがギュインギュイン、コブシ振り上げ「イェ〜イ」の世界だと思っていた私にとって、どこにでもいそうな大学生のお兄ちゃんがうつむきながらギター掻き鳴らして胸キュンのメロをか細く歌っているというたたずまいと、音楽は楽器のテクニックの優劣ではないということが衝撃だったのであります(もちろんそれだけだったら、そんなエセギターバンド腐るほどいるし、ほどんどがクソであるのだけれど)。
「大学行ったらバンド続けようかなぁ。でもやっぱテニスサークルとかも入りてぇしなぁ」なんてことを考えていた私の背中を、ぽんっと押してくれた→そしたら大学にライドをチラシの写真に使ったバンドサークルがあった→学生時代は音楽活動ばかり→現在に至るというある意味罪作りなバンドとも云えたりします。
新たなリスナーにとって彼らの音が現在有効かどうかは私には保証できません。
18の時、「この音楽がいくつになっても胸に心に響く大人になりたい」と小さく宣言をした私でありましたが、よわい30にしてMD全アルバムぶっこみの聴きまくり。喜んでよいのか、成長してないってことなのか。まぁとりあえずよしよしと云うことで。
今年テレビ番組の収録で再結成をしたり、アルバムがリマスターされたりと細かい動きがあったのもうれしかったです。
で、今アンディはオアシスにいるんでしたっけ?
【番外編】
■めぞん一刻 TVシリーズ完全収録版
(XCENTURY/ビデオCD)
買っちゃいましたよ18セット36枚組。一部歯抜けでシリーズ完全網羅には至ってませんが。
思い出しましたよ、中学時代に部活の顧問に「好きな女性のタイプは?」聞かれて、迷うことなく「音無響子さん!」って答えてた自分を。
読むんですよ、気が付けば年数回は単行本引っぱり出して。
でもね、田舎から持ってきたのは五代君が教育実習で響子さんの母校で八神とドタバタになる9巻以降なんですよ。ここだけ毎回繰り返し繰り返し読むんですよ。個人的にはここからエンディングに掛けてが一番好きだったんですけど。
でもね。
今年コンビニで売ってるペラペラの紙の総集編みたいな安物単行本で読み返したら、前半の1話完結のコメディものもまた味わい深いんですよ。で、思わず買っちゃいましたよ。だって18セット36枚組で6000円だって云うんですもの。DVDシリーズは一枚4800円以上するんですもの。そんなもんはとても買えませんし。
金は無いけど暇は売るほどあった。何かを成し遂げようと思うけれど、それが何だかよくわからない、そんな時代が蘇ってくるのです。そんな私は年を取ったのでしょうかねぇ。
ところで時計坂って東久留米市がモデルだったのね。
古くならんなぁ、名作だわ。
【総括】
今年は結構CD買ったし聴いたしで、珍しく選定に迷うという感じでした。
ついこの間から現在進行中でヘビーローテーションなのがAimee Mannの「Lost
In Space」。こちらはCD店で試聴して気に入って、クリハラさんからお借りしたものです。こういう女性ボーカルに弱いんです。良い唄、良い曲というのはもちろんですが、シンプルなバンドサウンドが絶妙で、少し歪んだ感じがたまらない。恐るべしティル・チューズディ、恐るべし80's。
あとはリアルタイムではこのバンド、あまりピンと来なかったのですが、何となく買ってみたら意外にツボだったのがNirvanaのベスト盤。やっと耳が時代に追いついたんでしょうか。そしてDoorsのレアトラック集「Essential
Rarities」は冒頭のエドサリバンショー音源でノックアウト。
ライブでは今年ブライアンの2度目の来日が2月にございましたねぇ。これも前回にまして素晴らしかった。7列目で至福の時を過ごさせていただきました。是非来年は新作を耳にしたいと心から願う次第。
そして4月にはヰタセクがバックの早川義夫のライブがありました。
演奏と唄はもちろん素晴らしかったけどさらに打ち上げにお邪魔して早川氏、そして松村雄策氏と口をきいてしまったなんて事件もございました。憧れの人ワンツーパンチでございました。
うん、ヘビーだったけど今年も良い一年だった、うん。
そんなわけで。
何か1年が経つのがどんどん早くなってる気がするのですが、今年もバタバタしながらも面白可笑しい1年でした。
2003年はブラン2ndレコが控えております。そうだ、いぬん堂いしどさんとお会いしたのも今年だったんだな。
また慌ただしくなりそうですが、また皆さんに面白がっていただける良い年にしたいものです。
遁レコブランは日々精進。
2003年も何卒宜しくお願いいたします。
(2002.12.22.記)