2000.3..28 up
ばんでぃー New!
 (ハワイ)
永井理 
 (SEWING MACHINE)
金森幹夫
 (フォークロア)
D.Inoue
 (MinorRecords/Diesays)
ツツイヨウイチ
 (法大DM研)
ピンクサママ&エイミー
 (ウェブジャングル)
古江尚
 (絶対無)
山内かおり
 (シノワ)
平田徳雨
 (シノワ)
下田温泉
 (insect taboo)
フルタツ
 (サイケピンキーズ)
いしい
 (Alice)
ヒロセマサヒト
 (フリーボDr)
サカテヨウスケ
 (フラ・ドードー舎)
オカモト
 (フラ・元ブラン)
アダチカツノリ
 (遁レコ/ブラン)

 

募集要項
→'98年私の5枚
→'97年私の5枚

 



平田徳雨/シノワ
 mail:gq6a-hrt@asahi-net.or.jp
 url:http://www03.u-page.so-net.ne.jp/sc4/shinowa/ 


■モーニング娘/セカンドモーニング
昨年からモーニング娘。は非常に気になる存在でしたが、今年の初夏に聴いた「真夏の光線」で「気になる」以上の存在となりました。
私は「さわやかソウル」的、またいわゆる「ソフトロック」的な音が好きですが、「真夏の光線」にはこれらのファクターが明らさまに織り込まれていました。
以前のモーニング娘。もソウル歌謡だったと思うのですが、加えて「真夏の光線」では60・70年代のいわゆる「ソフトロック」的テイストが感じられました。
しかし、純邦楽リスナーの期待にも十分応えられるように、一線を超えないギリギリの歌謡曲として成立していたものと思われます。

このようなニュアンスは、90年代の音楽を象徴していると思います(こういう音楽にひかれる私は90年代という土壌に育ってきた一人であることを痛感しました)。最近の歌謡曲にはマニアックどころ(クラブシーンが基底にあります)がさらりと導入され、非常に巧みな戦略が感じられます。
いくら戦略といえども、その音がよければいいものです。
しかし、上記については、単純に「戦略である」との一面的な見方だけで片付けられるようなものではないでしょう。
大衆思想の総体としての「時代の表象」は、同時代に生きる者が何らかの形で影響を受けざるを得ないものであります。モーニング娘。の「真夏の光線」や「LOVEマシーン」、深田恭子の「イージーライダー」などは「現代の表象(音楽を超えたものとして)」を考えるうえでの好サンプルであると思います。

そして、その「真夏の光線」が収録されたアルバム『セカンドモーニング』を(もちろん発売日に)買いました。はじめは前述のような視点より斜に構えつつ聴いていましたが、そのうちにそういうことは感じなくなり、純粋にその音が好きになりました(「LOVEマシーン」にカップリングの「21世紀」もかなり好きだということでそれはおわかりでしょう)。そのアルバムに収録される曲は、ソウル、いわゆる「ソフトロック」、ガレージ、ジャズ、いわゆるネオアコと大変バラエティーの富むものでした。
閉じられた範囲のなかより音をみつけるのではなく、日常的に与えられるようなもののなかに自分の本当に好きな音があったということ。これは大変幸せなことでした。

私は先日、師匠(還暦+α)とカラオケにいきました。そこで師匠は「LOVEマシーン」をお聴きになりました。「これはスーダラ節だな」と師匠はおっしゃいました。まさしく金言でありました。
(*モーニング娘。のなかでは矢口真里(俗称まりっぺ)がいいと思うのですが、多数の非難・攻撃を受けました。なんででしょう?)

■LINDA PERHACS/PARALLELOGRAMS
「娘。」の記事とは陰と陽の関係をもっています。
非常にシンプルなスタイルを持ちながらも脊髄に深く効く高揚感です。奇跡の一枚です。
いわゆる「アシッドフォーク」の可能性が実を結んだ瞬間を見ました。

深くエフェクトを施した音にも高揚効果はあるものですが、このアルバムは、それとは対極に位置しています(シンプルとはいいながらも要所要所にかけられたぶっ飛びエフェクトが非常に効果的)。外部のブツには頼ったのではなく、体内のアドレナリンが極限にまで達し、そして脳内モルヒネも爆発し、果てにオーバドラッグしてしまったようなアルバムであると例えられます。
LINDA PERHACSは、「サイケとは何か」という、単純そうで実はよくわからん問いの一つの解答であると思いました。いつか、ミュージックマガジンでも「サイケとは何か」という特集を組んで欲しいです。もちろん議長は中村とうよう氏で。
このアルバムは私の生涯のマストアイテムとなりました。

■STEREOLAB/COBRA AND PHASES GROUP PLAY VOLTAGE IN THE MILKY NIGHT
今年聴いたアルバムのなかで群を抜いて一番衝撃度が高かったです。聴きまくりました。
聴けば聴くほど、楽曲のもつひねり具合と緻密さが見えてきます。そして、それらと表裏関係にあるストレートなポップさとラフな感じとの絶妙なせめぎあいに感動したものです。(*マクド店内のフリーの情報誌に、「恋人とのドライブを盛りあげる一枚」としてこのアルバムがあげられていて、いろんな意味でびっくりしました。)

初期のステレオラブは、ベルベットアンダーグラウンドのなかの要素を淘汰して、気持ちいい部分だけを抽出したようなサウンドが印象的でした。そういうところから生まれたものが、今作で大輪の花を咲かせたように思います。
例えば、ステレオラブにおける「反復」という技法、従来の方法ではトランス作用をもたらすものとして使用されることがありましたが、ステレオラブにおける「反復」は、そういう効果を求めるものではないだろうと推測されます。

90年代の初頭の91年、まだ『marquee』誌がプログレ雑誌だったころにサイケ特集が組まれました。
60・70年代のアーチスト紹介に続いて「90年代のサイケデリア」という記事がありました。
ここでは「ライド」や「プライマルスクリーム」「スペースメン3」「スロウダイブ」などの我々の世代に馴染み深いバンドが「ファッションサイケ」と一括され、微塵に玉砕されてました。

しかし、我々の世代は以上のバンドを「サイケバンド」と認識することはなかったと思います。
もちろん、上記のバンドが60・70年代のガレージ・サイケに影響を受けていることは間違いないでしょうが、それとは明らかに違うものができあがっていたと思うのです(私は「ファッションサイケは良いこと」論者です)。
もし、この『milky night』がその記事に出ていたら酷評されていたんだろうなと思います。
トランス効果のない反復は、ファッションでしかないとか(笑)。
(*このアルバムにはいわゆる「サイケ」っぽさを見つけることはかなり困難です)。
(*なぜか、「轟音ギター」や「ディレイ感」や「リバーブ感」は「サイケ」のカテゴリーと結びついて捉えられることが一般的です。不思議です。)

異論はあるかもしれませんが、「まだまだロックも発達するんだなあ」と思いました。

ステレオラブのこのアルバムは、ポストモダン的世相の上にある「ポストロック」と位置づけられますが、私はアルバムを聴き、巷でいわれている以上に「ポスト」を感じてしまいました。
また、このアルバムをプロデュースした、ジョン・マッケンタイア、ジム・オルーク周辺の音楽もよく聴きました。

このアルバムや他のジョン・マッケンタイア、ジム・オルークものには、コンピューターの音楽への導入の一つの有り方として明るい展望をみたような気がしました。
TMネットワーク時代の小室哲哉のキーボード横のコンピューターをかっこ悪いと思ったもので・・・

■DEAD FAMOUS PEOPLE/ALL HAIL THE DAFFODIL
一番数を聴いたという点ではこれが一番でした。
京都寺町御池上がる「HOT LINE」に格安で売っていました。帯の解説がよかったのと、なんかジャケにピンとくるものがあったので購入したのですが、これが凄かったのです。聴いた瞬間からはまりました。「シノワ」内でもこのアルバムは評判になり、シノワ山内も今年の五枚にラインナップしてくるであろうアルバムです。

シンプルなのになんか変(こういうやつに非常に弱い)、この絶妙のバランスがたまらないです。全員が女性から成るバンドです。
このアルバムについては、シノワマイクロコスモでも熱く書いています。至福の一枚です(すべてが完璧)。
ここでも繰り返しますが、6曲目の「postcard from paradise」は本当に名曲です(今年だけで百回以上は余裕で聴いています。それでもまったく飽きません)
。この手の女性ボーカル曲としては今のところ最強です。かなり複雑な構成なのに、それが単純なものとして聴こえ、なんかスルスルっと気持ちの良いメロディーが流れ、いつのまにか曲が終わっていたという感覚を覚えます。こんな曲は他に聴いたことがないです。
デッドフェイマスピープルにはこのアルバムの前にミニアルバムがあるそうです
。また、このアルバムもアナログで欲しいです。
これらを見つけられた方はぜひ私にご一報下さい。

最近では中古屋でみかけることが多いです。1000円ポッキリくらいかもしくはそれ以下なので(いいアルバムだという認識は世に全くなさそうだ)、騙された気分で購入なさってはどうでしょう。人によっては即死します。

■HURRAH!/THE SOUND OF PHILADELPHIA
昨年のベストアルバムは、トレイシーソーンの『遠い渚』でしたが、それ以降、いわゆるネオアコを聴くようになりました。
今年の年頭にフラ・元ブランのオカモトさんと「アコ好きのネオアコ嫌い」で意気統合したのですが、その絆をあっさりと破ってしまう粗相を今年一年間ほど行いました(オカモトさん、お許しを…)。厳密に何をネオアコというのかはいまだよくわからないのですが、そういう流れのもので一番気にいったバンドがフラー(カナ表記的にはフラとブラーの中間)でした。
私のネオアコ元年に全くタイミングが良いことに、今年は宮子和眞氏の『ギターポップジャンボリー』の影響で、いわゆるネオアコあたりの音源が多数復刻されました。フラーも今年日本盤が出ました。

久々にかっこいいと思える男オンリーバンドに出会いました。
ルックスは日本の「THE MODS(森山のやつ)」な路線をさらに野暮ったくした感じで、1stアルバムのジャケットからは、どうみてもださいロケンロールバンドとしか思えないようなものです(やや怖め)。キャッチーで青春臭い音とジャケットrとの乖離がすさまじいです。
ロケンローラーの新たな展開といってもおかしくないのですが、それは飛躍しすぎていました。
当時も盛りあがらなかったそうで…。リアルタイムにギャップを埋めることは不可能に近かったでしょう。
(*「ストロベリースウィッチブレイド」は、むしろ現在の方がギャップを感じ
る例です。)

音の方はそれはそれはかっこいいものです。ギターは耳をがっちり掴み離さないほどに印象的すぎるリフに、キラキラした音(バーンズのギターを使っている模様)が凄まじいです。ドラムも(ドラムはサポートメンバーらしい)かなり独特なノリがあり、不意うちなおかずが炸裂します。さらには唐突にメロディーラインとベースラインがユニゾンになったりします。
ボーカルには賛否両論あるようですが、私はシビれまくっています。
ちなみに私のフェイバリットソングはCDの13曲目「BIG SKY」です(へんなドラムと美しいリフと音色が見事に交錯。
(*フラーは早すぎた「ライド」って印象もあります。)

「HURRAH!」とは、翻訳すれば「万歳!」という意味らしいです。それもかっこ良すぎです。
総括するならば、「ださかっこいい(≒ヘタウマ)ようにみえるが、実は本物だった」ということになります。
しかし、ギリギリの男たちだったことには間違いないでしょう。
WEBもあります。(http://www.netjoy.ne.jp/~konishi/)なんと、プロモビデオも落とせます(Hurrah!)。
早く、すべてのアルバム、シングルの復刻を期待したいです。

その他
・LOVE「GETHSEMENE」
大衝撃曲。30年早すぎたサンプリング曲。凄いです。絶対聴いてください。さらに同7インチに収録の「it's the marlin, baby」はフィードバック?のみの曲。


・NICK LOWE「CRUEL TO BE KIND」
即死。NICK LOWEもベーシックになりました。

・TNT『COMPLETE STUDIO RECORDINGS 1974−76』
チョコレートウォッチバンドの「NO WAY OUT」のカバーあり。70年代にこんなバンドがいたとは…衝撃。

・CAETANO VEROSO
今年最大の私のカリスマ。

・JOYCE
クラブブームの御こぼれを頂戴した気分ですが、それ以上。

・SERGE GAINSBOURG
今まで御洒落系と勘違い。先入観をもった私の方がバカでした。 降参。ベーシックになりました。最高のガレージ。

・TRASH CAN SINATRAS「OBSUCURITY KNOCKS」
こんな曲は作れません。最新EPも最高。

・SIXPENCE NONE RICHRE「KISS ME」
大ヒットしたそうです。SMALL FACESの「ALL OR NOTHINNG」をリアルタイムで聴いたような感覚。

・LOUIS PHILIPPE「YOU MARY YOU」
超名曲。奇跡の曲。ポップスの最高峰。

・DISLOCATION DANCE
かなりいい感じです。

・THE FRIENDS OF DISTINCTION『GOLDEN CLASSICS』
最高の男女混成ソウルグループ。こういうグループはあまりなさそう。

・ゴーバンズ「スペシャルボーイフレンド」
10年来の愛聴曲。今年7インチを発見。感激。

・宇多田ヒカル「Movin'on without you」
「オートマティック」にはピンときませんでしたが、この曲にはびびりました。あのサビの部分はコードが鳴っているようです。

・深田恭子「イージーライダー」
この曲にもはまりました。流行の結晶。声質が最高。

・ANGEL'IN HEAVY SYRUP 『ANGEL'IN HEAVY SYRUP W』
大ファンです。

・CHICO&THE GYPSIES 『VAGABUNDO』
「ニュースステーション」出演を見て感動。クラブではこれをかけよう。

・ERIK TAGG
今年少し盛りあがったAORの波、少しだけ私にもきました。

・三ツ矢サイダーのうた
大滝詠一の前のやつ。筒美京平作。最高の泣きのコード進行。

・サンディー
元サンディー&サンセッツのソロ。浦くん、ありがとう。

・ストーンローゼス『STONE ROSES』
心安らぎます。

・BECK「SEXXLAWS」
この曲はかなり良かったけれど、アルバム的にはもう一つ。

・松谷祐子「ラムのラブソング」
カラオケのレパートリー(常時ボイスエフェクトを使用する)。念願の入手。

総括
2000年1月26日、早く来てください。今年は寂しかったです。(99.12.30)


 

(C)TONSEI RECORDS